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ターミナルからAIエージェントを直接操作する——Anthropicの新ツール「ant CLI」の実力を探る

I Tested Anthropic (New) ant CLI That Deploys AI Agents (From Your Terminal) という記事を読み、これまでAPI経由で構築していたエージェントのワークフローがどう変わるのか気になったので、自分なりに内容を整理してみました。

参考まで。


Anthropicがリリースした「ant CLI」は、ターミナルから直接Claude APIを利用したり、AIエージェントをAnthropicのクラウド上にデプロイしたりできる強力なコマンドラインツールです。これまでは、エージェントを動かすためにわざわざPythonやNode.jsでラッパーコードを書いたり、複雑なcurlコマンドを組み立てたりする必要がありましたが、このCLIの登場によってその手間が大幅に削減されるかもしれません。

Anthropicは、単なるAIモデルの提供者から、エージェントを動かすための「フルスタックなプラットフォーム」へと進化しようとしているようです。

「Managed Agents」を構成する4つのコアコンセプト

ant CLIを使いこなす上で、まず理解しておくべきなのが「Managed Agents(マネージドエージェント)」という考え方です。これは大きく分けて4つの要素で構成されています。

flowchart TD
    subgraph Anthropic_Platform [Anthropic Cloud]
        A[Agent: 構成定義] --> B[Environment: 実行環境]
        B --> C[Session: 実行インスタンス]
        C --> D[Events: 実行トレース]
    end

    style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:2px
    style B fill:#bbf,stroke:#333,stroke-width:2px
    style C fill:#bfb,stroke:#333,stroke-width:2px
    style D fill:#fbb,stroke:#333,stroke-width:2px

各要素の役割を簡単にまとめると、以下のようなイメージになります。

  • Agent(エージェント): どのモデル(SonnetやOpusなど)を使うか、どんな役割(システムプロンプト)を与えるか、どのツールやMCPサーバーにアクセスさせるかといった「設計図」です。
  • Environment(環境): エージェントが実際に動作するサンドボックスです。Anthropicが管理するクラウド上のコンテナとして提供されます。
  • Session(セッション): 特定のタスクを実行するために生成される、環境内のインスタンスです。ここで実際の対話や処理が行われます。
  • Events(イベント): 実行中に発生したメッセージやツールの呼び出し結果など、すべての履歴を指します。

このように、単にテキストを投げて返すだけでなく、実行環境そのものをクラウド側で管理してくれるのが、Managed Agentsの大きな特徴と言えます。

ant CLIで何ができるようになるのか

従来の開発手法と比較すると、ant CLIの利便性が分かりやすくなります。

機能 従来のAPI利用 (SDK / curl) ant CLI
コード記述 言語ごとのSDK設定やボイラープレートが必要 コマンド一行で即実行可能
リクエスト構築 JSONを手書き、あるいはコードで組み立て 型指定されたフラグやYAMLファイルからのパイプ
外部ファイル参照 ファイルを読み込んで文字列として結合が必要 --@path 参照でファイル内容を直接インライン化
出力の整形 jqなど外部ツールを組み合わせる 組み込みのGJSONクエリで自由自在に加工可能
デバッグ ログを自前で出力して確認 対話型のエクスプローラーモードでトレースを確認

特に、YAMLファイルで定義した構成をそのままパイプしてエージェントを作成できる点は、開発のサイクルをかなり速めてくれるのではないかと思います。

インストールと基本的な使い方

実際に手元の環境に導入する手順は、非常にシンプルです。

1. インストール

macOSを利用している場合は、Homebrewから簡単にインストールできます。

brew install anthropics/tap/ant

LinuxやWSL環境の場合は、curlを使ってインストールスクリプトを実行します。

curl -fsSL https://ant.anthropic.com/install.sh | sh

2. 最初のAPIコール

エージェントを構築する前に、まずはシンプルなメッセージ送信を試してみるのが良いでしょう。以下のようなコマンドで、モデルを指定して直接問いかけることができます。

ant messages create \
  --model claude-3-5-sonnet-20241022 \
  --max-tokens 1024 \
  --prompt "最新のant CLIについて、技術的な特徴を3点教えてください。"

3. エージェントの作成(ベータ機能)

マネージドエージェントを作成する場合は、以下のようなコマンド体系になります。

ant beta:agents create \
  --name "my-research-agent" \
  --model claude-3-5-sonnet-20241022 \
  --instructions "あなたは優秀なリサーチアシスタントです。"

作成したエージェントに対してセッションを開始することで、ターミナルがそのままエージェントとの対話インターフェースに変わる、といった使い方が可能になります。

Claude Codeとの強力な連携

興味深い点として、Anthropicのエンジニア向けツールである「Claude Code」も、内部的にこのant CLIの仕組みを理解しているという点が挙げられます。

たとえば、Claude Codeに対して「過去のエージェントセッションの一覧を出して」とか「失敗した実行ログを解析して」と依頼すると、Claude Codeが裏側でant CLIのコマンド(/claude-api スキル)を叩き、その結果をもとに回答を生成してくれます。開発者が直接CLIを叩かなくても、自然言語を通じてエージェントの管理ができるようになる、というわけですね。

まとめ

ant CLIの登場により、AIエージェントの開発環境は「コードを書いて動かす」ものから「ターミナルから構成を流し込んでデプロイする」ものへとシフトしていくのかもしれません。

特に、Anthropicが管理するセキュアなサンドボックス環境(Environment)をそのまま利用できるのは、セキュリティの観点からも大きなメリットかと思います。これまでは自前でサンドボックスを構築するのが大変で、エージェントにコードを実行させるのを躊躇していたケースも多かったはずです。

まずはシンプルなメッセージ送信から試してみて、徐々にマネージドエージェントの構築へとステップアップしてみるのが良いのではないでしょうか。手軽にエージェントの挙動を検証できるツールとして、今後の開発ワークフローに欠かせない存在になりそうです。

参照記事